自分で出来る男性更年期障害のセルフチェック

■身体の不調は、加齢だけが原因なのか

「気分が上がらない」「不安が続く」「ずっと体調が悪い」「イライラする」「神経質になった」などの症状が続いていませんか?「歳のせい」「ストレスのせい」「いつの間にか治るだろう」と誤魔化していませんか?

 

原因不明な身体の不調である不定愁訴の要因は、男性更年期障害にあるかもしれません。閉経に伴い、女性ホルモンであるエストロゲンが急減する女性の更年期障害と異なり、男性更年期障害は放置しても治りません。

 

もし、自覚症状があれば、自分で簡単にチェックしたいところです。今回は自分でも出来る、男性更年期障害のセルフチェック方法を紹介します。

該当している場合は要注意です。

自分で出来る男性更年期障害のセルフチェック

「加齢」と「ストレス」が引き金となる男性更年期障害

男性更年期障害は、男性ホルモンの1種であるテストステロンの減少により、自律神経のバランスが崩れることで生じる症候群です。男性更年期障害は、「加齢」「ストレス」の2つが要因となって生じます。

 

加齢によって生じる男性更年期障害は、LOH(加齢男性性腺機能低下)症候群と呼ばれます。男性の場合、20歳をピークとして加齢とともにテストステロン値は減少していきます。

また、ストレスにより男性更年期障害が発症することもあります。特に、強く継続的なストレスを受けると、男性更年期障害に羅患する可能性は高くなります。強く継続的なストレスを受けると、テストステロンを生産する睾丸(精巣)にホルモンを送る脳下垂体が、睾丸へのホルモンの生産を止めてしまうのです。

 

男性更年期障害は、これら2つの要因が重なることにより生じます。

男性更年期障害セルフチェック

男性更年期障害の1種であるLOH(加齢男性性腺機能低下)症候群は、血中遊離型テストステロン値とAMS(Aging males’ symptoms)スコアという質問紙を用いて診断されます。テストステロン値の測定のみで診断が行われないのは、テストステロン値だけで男性更年期障害を判断できないからです。

前述のとおり、男性更年期障害はストレスが介在していることもあります。そのため、男性更年期障害の症状である自律神経失調症の裏に、大うつ病や気分変調性障害などが隠れている場合があるのです。したがって、診断現場では総合的に症状を見ていくことになります。

 

それでは実際に、各クリニックで広く用いられているAMSスコアでセルフチェックを行ってみましょう。以下がAMSスコアの一覧です。自身の自覚症状と比較し、17項目それぞれを「なし(1点)」「軽い(2点)」「中程度(3点)」「重い(4点)」「非常に重い(5点)」の5種類の評価から選び、総合スコアを出します。

 

AMSスコア

症状 スコア(「なし(1点)」「軽い(2点)」「中等度(3点)」「重い(4点)」「非常に重い(5点)」)から1つ選択
1 身体の調子が良くない
2 関節や筋肉の低下や痛みを感じる
3 ひどく汗をかくようになった
4 寝られない、頻繁に眠たくなるなどの睡眠の悩みがある
5 すぐ眠くなる、疲れやすくなった
6 イライラしやすくなった
7 神経質になった
8 不安感がある
9 体力の低下だけでなく、行動力も低下したような気がする
10 筋肉量の低下
11 意欲がわかない憂うつな気分だ
12 燃え尽きたように感じる
13 力が無い、どん底にいると感じる
14 ひげの伸びが遅くなった
15 性的機能の衰えを感じる
16 早朝に勃起(朝立ち)しなくなった
17 性欲の低下を感じる

 

出てきた総合スコアの点数によって、男性更年期障害の程度を把握できます。

点数

男性更年期障害の程度

17~26点

なし

27~36点

軽度

37~49点

中等度

50点以上

重度

 

総合スコアが37点以上(中等度・重度)の場合、医療機関を受診することを勧めます。

軽度である27~36点の場合でも、できる限り医療機関を受診しましょう。

自分で出来る男性更年期障害のセルフチェック

診療の注意点

男性更年期障害の診療科目は心療内科・泌尿器科・内科が該当します。受診先に迷った場合には、先のAMSスコアの構成を参考にしても良いかもしれません。AMSスコアは、心理的因子が5項目(質問6~8、11、13)、身体的因子が7項目(質問1~5、9、10)、性機能因子が5項目(質問12、14~17)で構成されています。つまり、スコアが高い因子を対象とする診療科目を受診すれば良い訳です。

男性更年期障害は、加齢によるLOH症候群とストレスによる心因性の症状(大うつ病・気分変調性障害など)がしばしば合併します。一概に決められるものではありませんが、スコア中の心理的因子が強ければ最初は心療内科へ、身体的・性機能因子が強ければ最初は内科・泌尿器科での受診を検討しても良いかもしれません。

心療内科で大うつ病や気分変調性障害と診断されればSSRIや抗うつ薬が処方され、内科・泌尿器科でLOH症候群と診断されれば男性ホルモン補充療法や漢方薬が処方されます。各症状の強さを見極めながら、平行して治療に望むことが重要だといえます。