男性更年期障害と生活習慣病

生活習慣病とは?

生活習慣病は、生活習慣が発症に深く関わっている疾患の総称です。日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患、心疾患のほか、動脈硬化症や糖尿病、高血圧症なども生活習慣病に含まれます。

かつては成人病と呼ばれていた生活習慣病ですが、成人でなくても発症する可能性があるなどの理由から、1996年に厚生省によって「生活習慣病」に改称するよう提唱されました。それを受けて、次第に生活習慣病という名前が使われるようになりました。

 

生活習慣病の主な原因としては、食事や運動、喫煙や飲酒、ストレスなどがあげられます。そんな生活習慣病は、男性更年期障害によっても発症のリスクが高まるものです。

 

今回は、男性更年期障害と生活習慣病の関係についてご紹介します。

男性更年期障害と生活習慣病

男性更年期障害は生活習慣病の発症・進行に寄与する

加齢に伴いテストステロン値が低下することで、精神症状や身体症状などの男性更年期症状が現れることを、LOH症候群と言います。この男性ホルモンであるテストステロンは糖代謝に関与しており、テストステロンが減少することでインスリンに対する感受性が低下し、インスリンに対する感受性が低下すると、2型糖尿病を引き起こしやすくなると言われています。
そのため、テストステロンの低下は、糖尿病のリスクを高めると言われています。

 

また、テストステロンは脳の高次精神機能にも関与しており、男性更年期障害によるテストステロンの減少では、不安やイラつき、不眠といった症状も引き起こされます。
こういった症状はストレスの原因となり、生活習慣病を発症させる原因ともなるのです。

 

不眠においては、生活習慣病の罹病リスクを高めるだけでなく、症状を悪化させることも分かっています。
さらに、テストステロンが低下すると、内臓脂肪が増加することも認められており、これに高血圧、高血糖、脂質代謝異常といった要素が組み合わさるとメタボリックシンドロームとなり、心臓病や脳卒中といった動脈硬化性疾患を引き起こしやすくなります。

 

以上のことから、男性更年期障害(テストステロンの低下)は、生活習慣病の発症や進行に寄与するものと考えられます。

男性更年期障害と生活習慣病

男性更年期障害の治療が生活習慣病の予防・改善につながる

上記でご紹介した男性更年期障害と生活習慣病の関係から、男性更年期障害の治療に取り組むことは、生活習慣病の予防・改善にも寄与するものといえます。

 

主な男性更年期障害の治療法としては、テストステロン値を増加させるアンドロゲン補充療法(ART)があげられます。

 

ただし、アンドロゲン補充療法を受けるには、男性更年期障害の徴候を有する40歳以上の男性で、なおかつ、一定の基準値よりも血中遊離型テストステロンの低下が認められている必要があります。

なお、重度の高血圧や夜間睡眠時無呼吸などの症状を持っている方には不適切な治療とされているため、注意が必要です。

男性更年期障害と生活習慣病