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遺産相続は、どのタイミングで行えばいいの?

■遺産相続とは

遺産相続とは、故人の銀行貯金や保険金、株や不動産といった財産を相続による手続きによって、故人の配偶者や子ども、孫が引き継ぐ手続きのことをいいます。

この手続きにおいて、故人は「被相続人」、遺産を引き継ぐ権利を持つ故人の配偶者や子ども、孫は「相続人」となります。

遺産相続で被相続人から相続人へ引き継がれる財産としては、以下のものがあげられます。

・現金

・預金、預金口座

・退職金・退職慰労金(過去二年以内の受給分も含まれます。)

・返還請求権のある敷金(20万円以上であれば、権利金や保証金も含まれます。)

・積立金(職場での積立、財形貯蓄など。)

・保険(火災保険、生命保険、学資保険など。2年以内に解約や失効になったものも含みます。)

・有価証券(株券やゴルフの会員権など。)

・自動車、バイク

・取得価格40万円以上の高価品(換価20万円以上のものも含まれます。)

・不動産(土地、マンション、建物など)

・過去2年以内に支払いを受けた金銭(財産分与、遺産、慰謝料など。)

・将来受ける権利のある財産(損害賠償、財産分与、慰謝料、求償金、未回収の貸金など。)

・過去2年以内に処分・他人に譲渡された20万円以上の動産

・過去5年以内に処分・譲渡された不動産

このように、遺産相続では被相続人の資産に該当する財産が相続人へ引き継がれます。

しかし、遺産相続で引き継がれる財産には、被相続人の資産だけに限らず、負債も含まれます。

そのため、遺産相続を行なえば、被相続人の事業設備、在庫品、什器備品、貸付金、売掛金、求償金なども引き継がなくてはならないのです。

よって、遺産相続を行う際には、被相続人の資産額だけに目を向けず、負債額や相続税のことも考えて、総合的な財産の算出を行うことが重要です。

負債が資産を上回る財産の場合、相続放棄にて財産の分与を破棄することもできます。

 

遺産相続は、どのタイミングで行えばいいの?

■遺産相続は親族内トラブルのもと

遺産相続における相続人は、民法において、範囲や法定相続分が定められています。

まず、相続人となるのが、被相続人の配偶者です。次に、被相続人の子ども、被相続人の直系尊属、被相続人の兄弟姉妹の順で相続人となります。

しかし、法定相続分においてはあくまでも相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の取り分となっています。

そのため、相続人の間で遺産分割の話し合いがまとまれば、民法上の法定相続分に従う必要はありません。

とはいえ、実際のところ、相続人の間において財産の分与争いは起こりがち。

遺産相続には、相続人のうち被相続人の財産の維持や増加について特別に寄与した者に寄与分が認められたりする制度や被相続人が残した遺言書の内容が優先される場合があったりと、何かとトラブルが起きやすいのです。

そこで、相続人の間で遺産の分割においての協議がまとまらない場合には、家庭裁判所において、遺産分割の調停又は審判の手続を利用することができるようになっています。

調停手続きでは、裁判官が当事者から事情を聞いたり資料を提出してもらうことで、解決案を導き出します。それでも協議がまとまらなかった際には、裁判官によって的確な審判が下されます。

遺産相続は、どのタイミングで行えばいいの?

■遺産相続のタイミングに気を付けよう

遺産相続には、法律上、注意しなくてはならない時期があります。

それが、熟慮期間です。熟慮期間とは、相続の開始があったことを知った相続人が被相続人の財産を調査したり、財産の資産と負債のバランスを算出した上で遺産を相続するか放棄するかを選択する時期を指します。なお、単純承認、限定承認又は相続放棄の意志を家庭裁判所へ申し出に行く必要があります。

3ヶ月を過ぎると、相続人は選択の余地なく自動的に被相続人の遺産を引き継ぐ流れとなります。被相続人の財産が負債だらけの場合も必然的に相続されることになるため、遺産相続の熟慮期間では計画的に相続・破棄を検討するようにしましょう。(熟慮期間は家庭裁判所への申し立てによって、延長することも可能です。)

この後、遺産を相続した場合には相続人の間で遺産分割協議が行われ、誰がどの遺産を相続するのかを決定する流れになります。

そして、相続開始から10ヶ月以内に相続税の申告を行い(相続財産が基礎控除の金額を超える場合や、相続税の特例等を利用しようとする場合)、やっと預貯金の解約や払い戻し、遺産の名義変更などができるようになります。

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